頭皮に膿やかさぶたが出来てしまった場合、かゆみや頭皮の炎症の悪化を防ぐためにも、早めの対処が大切です。そのため、膿やかさぶたが出来てしまった場合の対処法を知っておきましょう。
この記事では、頭皮に膿が出来てしまう原因と対処法や膿を予防する方法などを解説していきます。
頭皮に膿・かさぶたができる原因
頭皮に膿やかさぶたができる原因は以下のとおりです。
- 頭皮の乾燥
- 尋常性ざ瘡
- 毛包炎
- 皮膚炎
- 粉瘤
- 皮膚がん
上記を順番に解説します。
頭皮の乾燥
頭皮は薄い膜のような皮脂が覆っており、保湿効果や抗菌作用などの役割があります。
しかし、次のような原因によって、皮脂が不足し、頭皮が乾燥する可能性は否定できません。
- 乾燥肌
- シャンプーの使いすぎ
- ストレス
- 偏った食事
- ドライヤーの乾燥など
皮脂が無くなって頭皮が乾燥すると、炎症を起こしやすく、膿やかさぶたができやすい環境となってしまうので注意しましょう。
尋常性ざ瘡
尋常性ざ瘡とは、毛穴に皮脂が詰まったことで炎症を起こした発疹のことで、頭皮に出来たニキビです。
毛穴に皮脂が詰まる原因として、次のことが挙げられます。
- ターンオーバーの乱れ
- 偏った食事
- 睡眠不足や睡眠の質が低い
- ストレス
- ヘアケアが悪いなど
頭皮に出来たニキビが破裂すると、治療過程でかさぶたが形成される場合があるため、触らないようにしましょう。
毛包炎
毛包炎とは、毛穴の奥の毛根を包んでいる「毛包」に菌が入り込んで感染する炎症です。
大抵の場合は、皮膚表面に出来た小さな傷口やひっかき傷、カミソリ負けなどから黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などが入り込みます。
また、頭皮環境が悪かったり、マラセチアという皮膚の常在菌が毛包内で増殖したりする場合でも炎症は発生します。
軽度なら数日で跡も残らずに自然治癒しますが、炎症の症状が強くなるケースがあり、発熱や体調不良などを伴うことがあるため注意しましょう。
皮膚炎
皮膚炎とは、皮膚の上層に起きた炎症で、かゆみや発赤、腫れなどが生じ、かさぶたやうろこ状の屑などが生じます。
頭皮に出来る皮膚炎には、次のような種類と原因があります。
種類 | 原因 |
---|---|
接触性皮膚炎 | 石鹸や金属、摩擦などの刺激 |
脂漏性湿疹 | 頭皮の常在菌であるマラセチア菌が増殖する |
皮脂欠乏性皮膚炎(乾燥性皮膚炎) | 頭皮の皮脂が欠乏する |
アトピー性皮膚炎 | アレルギーの原因となる物質が皮膚の内部に侵入する |
膿痂疹 | 黄色ブドウ球菌や連鎖球菌が原因 |
皮膚炎の種類によって原因は異なり、対処法や治療法も異なります。そのため、皮膚炎が長引くようなら、医療機関への相談を検討してみましょう。
粉瘤
粉瘤とは、皮膚の内側に出来た袋状の腫瘍の総称です。本来なら皮膚から落ちるはずの垢や皮脂が溜まってしまい、排出されないため時間経過と共に大きくなります。
放置していても治ることは無く、炎症を引き起こす可能性があるため医療機関で切除してもらいましょう。
皮膚がん
皮膚がんとは、皮膚にできる悪性腫瘍の総称です。初期症状の1つとして、膿やかさぶたなどが発生しますが、皮膚がんの種類によっては通常の湿疹と見分けがつかない場合があります。
そのため、治りにくい、あるいは色や形が奇妙なかさぶたや膿が出来ているなら、医療機関を受診しましょう。
頭皮の膿やかさぶたは放置するとどうなる?
頭皮に出来た膿やかさぶたは、単なる頭皮の乾燥が原因の場合もあれば、毛包炎や皮膚炎、粉瘤、皮膚がんなどの病気の疑いがあります。
病気が原因の膿やかさぶたを放置していると症状が悪化し、別の病気を併発する可能性が高くなるため、すぐに医療機関へ相談してみましょう。
また、膿のたまった水ぶくれ(膿疱)を放置すると、ただれ、かさぶたができてしまうことがあります。放置するとかゆみや痛み、抜け毛・脱毛症にもつながるため、やはり医療機関の受診を検討しましょう。
頭皮に膿やかさぶたができたときの対処法
頭皮に膿やかさぶたができたときの対処法は以下のとおりです
- 使用しているシャンプーや整髪料の使用をやめる
- 頭皮のできものは潰さない・はがさない
- 膿やかさぶた部分を刺激せず清潔に保つ
- 自己判断で薬を使用しない
- 皮膚科を受診する
上記の対処法を順番に解説します。
使用しているシャンプーや整髪料の使用をやめる
頭皮に膿やかさぶたが出来た原因が乾燥の場合、皮脂が少なくなっていることが考えられます。
皮脂は気候や年齢によって減少する傾向にありますが、過度な洗髪やシャンプーが合わないなどの理由で少なくなることもあります。
そのため、普段から愛用しているシャンプーや整髪料の使用をやめてみましょう。
頭皮のできものは潰さない・はがさない
膿やかさぶたなどのできものを無理やり潰したり、はがしたりすると、傷口が大きくなり、雑菌が傷口に入って化膿させてしまう恐れがあります。
また、周囲の組織まで傷つけてしまうと、頭皮に色素沈着やへこみなどが出来てしまい、頭皮環境の更なる悪化を招く可能性を否定できません。
そのため、頭皮のできものをご自身で潰したり、はがしたりしないように注意しましょう。
膿やかさぶた部分を刺激せず清潔に保つ
膿やかさぶたの種類によっては、刺激せずに清潔に保つことが重要です。
例えば、毛包炎によって出来た軽度の膿やかさぶたは皮膚を清潔に保つことで、良くなる場合があります。
そのため、膿やかさぶたが出来たときは刺激せず、シャワーやパッドなどを用いて清潔な状態を保つようにしましょう。
自己判断で薬を使用しない
抗菌作用のある市販薬を用いれば、膿やかさぶたが消える場合があります。
しかし、膿やかさぶたの原因が解決しているわけではなく、症状が再燃する可能性は高いです。また、症状によっては薬を使用したことで、悪影響を及ぼす可能性も否定できません。
そのため、自己判断で薬を使用しないようにしましょう。
皮膚科を受診する
膿やかさぶたの原因が皮膚炎や粉瘤、皮膚がんの場合、放置していても改善されることはありません。
放置したことによって、症状が長引いて治りが遅くなったり、別の病気を併発したりする可能性があります。頭皮に膿やかさぶたが出来たときは、皮膚科や頭皮専門クリニックなどを受診しましょう。
頭皮の膿やかさぶたの予防
頭皮の膿やかさぶたは、主に頭皮の傷が原因です。そのため、頭皮の乾燥や余分な皮脂の発生などを抑制し、傷が悪化しにくい正常な頭皮環境を保つことが大切です。
ここからは、頭皮環境を頭皮に膿やかさぶたができないようにするためにできる予防法をご紹介していきます。
低刺激のシャンプーや整髪料を使用する
ヘアカラーやパーマ剤など、頭皮に対して強い刺激を与える成分が含まれた製品を使用すると、刺激性・アレルギー性のかぶれが起こる場合があります。
ほかにも、シャンプーやスタイリング剤に含まれるアレルギー物質が原因でかぶれが起こるケースもあります。頭皮にかぶれが生じた後も製品を使い続けると、膿やかさぶたとなり症状が悪化することも考えられます。
刺激性のある製品を使った際に、頭皮に違和感を覚えた場合はすぐに使用を中止しましょう。また、頭皮にかぶれなどが見られた場合にも、すぐに使用を中止して専門の医療機関を受診するようにしましょう。
頭皮の乾燥を避ける
頭皮の乾燥は、主に以下が原因として考えられます。
- エアコンの暖房運転によるもの
- 冬場など季節によるもの
- 1日に何度もシャンプーをする
- 生活習慣の乱れ
頭皮が乾燥すると皮脂の分泌が盛んになり、できものが増えやすくなります。さらに頭皮にかゆみも出てくるため注意が必要です。
頭皮の乾燥を防ぐには、保湿成分配合の育毛剤の使用やシャンプーをしすぎないよう心がけることが大切です。
ストレスを溜め込まないようにする
ストレスは、頭皮のターンオーバーに影響を与え、健康な髪を作り出す周期を乱す原因になります。
睡眠時間の確保や適度な運動など日常生活でのストレス軽減に努め、頭皮のターンオーバーを正常に戻すことができれば、傷やできもの、目に見えるフケなどを予防することができます。
栄養バランスの良い食事を心がける
偏った食事を続けて栄養バランスが乱れてしまうと、頭皮環境が悪化して膿やかさぶたが出来やすくなります。
頭皮環境を改善するためには、たんぱく質やミネラル、ビタミンなどをバランス良く摂取することが大切です。
例えば、肉類はたんぱく質を多く含み、乳製品はビタミンやミネラルなどを多く含んでいます。また、大豆類や緑黄色野菜はビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富なため、おすすめの食品です。
上記の栄養素は頭皮だけでなく、髪の成長にも影響を与えるため、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
頭皮に膿以外の症状が出ている場合の対処法
頭皮に膿以外の症状が出ている場合、別の頭皮トラブルが起きている可能性があります。自身にどのような症状が出ているのかを把握し、悪化を防ぐためにも早めに対処する必要があります。
ここからは、さまざまな頭皮トラブルへの対処法、および関連記事をご紹介します。
頭皮がくさい
頭皮がくさい場合、皮脂による影響や頭皮湿疹の可能性があります。頭皮のにおいを改善するためには、生活習慣の見直しが必要です。
放置すると不快に感じるだけでなく、かゆみやフケが生じる場合がありますので、早めに対処するようにしましょう。
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頭皮がかゆい
頭皮のかゆみがある場合、皮膚疾患や生活習慣・環境が原因で頭皮が乾燥気味な可能性があります。そのままにしておくと症状が悪化し、抜け毛や脱毛につながる可能性も考えられます。
頭皮のかゆみにはさまざまな原因があるため、医療機関を受診して自身の症状をしっかりと理解して対処することが大切です。
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頭皮が乾燥している
頭皮の乾燥は、かゆみやフケの発生に繋がり、頭皮を掻いた傷から膿が出来てしまう可能性があります。
かゆみやフケは、髪の成長の妨げになるだけでなく、周囲から不潔な印象を与えてしまうこともあるため、なるべく早めに対処しておきたい症状です。
乾燥の原因となっている原因をしっかり見直して、改善するようにしましょう。
また、頭皮の乾燥対策としてシーエスシーの育毛剤「ポリピュアEX」もおすすめです。
「ポリピュアEX」は、「バイオポリリン酸」をはじめとする保湿成分が含まれているため、頭皮の乾燥を防ぎます。ただし、膿が出ている状態や、炎症を起こしている場合は、まず医療機関を受診しましょう。
また、育毛に有効な5つの成分(ニンジンエキス、センブリエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、パントテニルエチルエーテル、塩酸ジフェンヒドラミン)が含まれています。
「ポリピュアEX」は、通販系育毛剤でメーカーから直接購入するため、在庫切れの心配がありません。
定期コースに申し込めば、1日あたり約113円~226円程度で頭皮環境を整え、発毛促進や脱毛予防などがおこなえます。
頭皮の乾燥で悩んでいる方は育毛剤の使用も検討してみましょう。
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頭皮が脂っぽい
頭皮が脂っぽくべたつきを感じる場合には、食生活や生活習慣の乱れが頭皮に影響している可能性があります。
頭皮のべたつきを放っておくと、毛穴がつまり薄毛や抜け毛の原因となることもあります。頭皮のべたつきが気になる方は以下の記事もチェックしてみてください。
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頭皮に膿やかゆみがある場合は早めに対処しよう
頭皮の膿を放置すると、傷の治りが遅くなるばかりか、周囲の部位も炎症を起こしてしまう可能性があります。痛みやかゆみ、抜け毛といった症状も出てくることもあるため、皮膚科を受診するなど早めの処置をするようにしてください。
また、複数回にわたって頭皮に膿やかさぶたが出来てしまう場合、頭皮環境が悪化していることも考えられます。頭皮環境を改善するために、生活のなかでのストレス・生活習慣の乱れを見直しながら、育毛剤で頭皮ケアをしてみるなどして改善を目指しましょう。