AGA治療で抜け毛が増えた？「初期脱毛」の原因と対処法を解説！

「AGA治療を始めたら抜け毛が増えた！」「抜け毛が心配で、治療を止めたい……」このような状況に陥っていませんか？抜け毛を抑えるために始めた治療なのに、抜け毛が増えたら心配になりますよね。しかし、原因がAGA治療による「初期脱毛」の場合、危惧する必要はありません。

この記事は、AGA治療を始めて間もない頃に見られる「初期脱毛」について解説します。なぜ初期脱毛は起こるのか？原因や対策など、AGA治療前に把握しておきたい情報をまとめました。AGA治療の初期脱毛について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

AGA治療を始めると抜け毛が増える！？「初期脱毛」の概要

AGA治療を始めると、抜け毛が増えることがあります。「これ以上抜けたら……」と思うと、心配になるのも無理はないでしょう。しかし、この場合はAGA治療による「初期脱毛」が起きている可能性が高いです。

初期脱毛とは何か、そして原因を詳しく解説します。

初期脱毛にはヘアサイクルが大きく関係している

髪の毛には1本1本に「ヘアサイクル」というものがあります。ヘアサイクルとは、毛が成長する周期(毛周期)であり、成長期→退行期→休止期→成長期……と繰り返すことで、常に生えたり抜けたりしています。

何らかの理由により、このヘアサイクルが乱れると、髪の毛は十分に成長する前に抜けたり、太くてしっかりした髪の毛が生えなくなったりします。すると、次第に薄毛が進行し、頭皮が目立ちやすくなるのです。

AGA治療では、乱れたヘアサイクルを整えて、発毛促進や脱毛予防へとつなげています。治療を始めたことでヘアサイクルの乱れが正常に戻ると、すでに生えている細くて柔らかい髪の毛は、新しい成長期の髪の毛によって押し出される形で抜けていきます。この抜けた髪の毛こそが、初期脱毛の正体です。

つまり初期脱毛は、治療が原因で症状が悪化しているのではなく、「ヘアサイクルを整えようとして起きている」と考えるのが適切です。

初期脱毛が起こるのは薬が効いている証拠

初期脱毛で抜けているのは、新しい成長期の髪の毛によって押し出された休止期の髪の毛です。この現象が起きているということは、乱れているヘアサイクルが治療によって正常に戻っている証拠でもあります。そのため、初期脱毛が起きても心配せず、見守るようにしましょう。

ちなみにAGA治療には、発毛を促す治療薬と抜け毛を抑える治療薬があります。どちらの治療薬でも、初期脱毛は起こり得ます。続いての項目で、初期脱毛が起こるメカニズムについて、治療薬別に把握しておきましょう。

初期脱毛が起こるメカニズムを治療薬別に解説

AGA治療には、大きく分けて下記2つの治療があります。

発毛を促す治療（治療薬の有効成分：ミノキシジル）
抜け毛を抑える治療（治療薬の有効成分：デュタステリド・フィナステリド）

そして、どちらの治療でも初期脱毛は起こり得ます。ここでは、それぞれの治療がどのように初期脱毛を起こすのか、そのメカニズムについて解説します。メカニズムまで把握できれば、初期脱毛が起きても不安にならずに済むでしょう。

「ミノキシジル」による初期脱毛の仕組み

ミノキシジルの作用は、発毛の促進です。毛根に直接働きかけることで、髪の毛を休止期から成長期へと移行させる効果、成長期の期間を伸ばす効果が期待できます。

ミノキシジルを用いた治療は、休止期から成長期、新しい髪の毛を成長させるサイクルへの進行を促します。すると、今まで生えていた細くて短い髪の毛は、成長期の髪の毛に押し出される形で抜けるため、抜け毛が増えたと感じるのです。

「古い細い髪が新しい髪に押されて抜ける」この現象が、ミノキシジルによる初期脱毛のことです。

「デュタステリド」「フィナステリド」による初期脱毛の仕組み

デュタステリドとフィナステリドは、AGAの原因に働きかけ、抜け毛を抑制する作用を持ちます。

毛根の奥深くには、AGAの原因となる男性ホルモン「ジヒドロテストステロン（DHT）」の生成に関わる「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素が存在します。

デュタステリドやフィナステリドはこの「5αリダクターゼ」の働きを阻害し、AGAの原因そのものを抑制します。結果、AGAによるヘアサイクルの乱れが正常化し、薄毛が改善されるのです。

ヘアサイクルが正常化へ向かう過程には「休止期から成長期への移行＝古い髪が抜け新しい髪が生える準備が行われる期間」が存在します。つまり、デュタステリド・フィナステリドによる初期脱毛は、ヘアサイクルの正常化の一環として起きる現象なのです。

初期脱毛はいつから始まって、いつ治まる？

初期脱毛はAGA治療を始めて10日～1ヶ月で起こり、その後3ヶ月ほど続くといわれています。

初期脱毛はヘアサイクルが正常に戻ろうとして起きているので、すぐに治まるわけではありません。とはいえ、初期脱毛の期間中は髪の毛がずっと抜け続けているわけではなく、抜け毛が増えたり減ったりを繰り返しています。また人によっては、抜け毛が増えていることすら気付かないこともあるようです。

まずはAGA治療を始めてから初期脱毛が起きても、3ヶ月間は焦らず様子を見るようにしましょう。

AGA治療による初期脱毛の対処法

初期脱毛は一時的に起こる症状であり、次第に改善されます。そのため、基本的には何もしなくても良いのですが、薄毛が目立っていないか周りの目が気になる方もいるでしょう。そこで、初期脱毛の期間中に薄毛を隠す対処法を紹介します。

おすすめの対処法は、下記の2つです。

髪型を変える
帽子を活用する

初期脱毛はAGA治療の薬が効いている証拠なので、抜け毛が増えることを理由に治療を止めるのはおすすめしません。この期間を乗り越えれば、今度はAGA治療の効果を実感しやすくなります。

髪型を変える

薄毛をカバーできる髪型は多くあります。例えば、頭頂部の薄毛を隠したい男性であれば、頭頂部にボリュームを出すソフトモヒカンやお手入れが楽な坊主などがおすすめです。また女性であれば、気になる部分にボリュームを出してカバーできるシニヨンがおすすめです。

逆に、おすすめしない髪型には、前髪の後退を目立たせるセンター分け、全体的にボリュームがなくなりやすいボブカットなどがあります。いろいろな髪型を試して、自分に合うお気に入りの髪型を見つけてください。

帽子を活用する

薄毛が気になる部分は、帽子で隠すのが手っ取り早いです。ファッションアイテムでもある帽子は、お洒落な印象を与えながら薄毛を隠せます。

ただし、帽子を活用する際は、通気性の良い帽子を選ぶこと、そして汗をこまめに拭くことを徹底しましょう。帽子が原因で頭皮環境が悪化すれば、抜け毛を増やしてしまう可能性もあります。

スカルプシャンプーによる頭皮環境ケアはAGA治療中でも重要！

AGAの治療中でも、頭皮環境を整えることは重要です。頭皮環境が整うことで抜け毛を防ぎ、健康的な髪の育成を促進する効果が期待できるので、AGA治療中も積極的に行うべきです。

頭皮環境ケアにはいろいろとありますが、中でもおすすめは、頭皮環境のケアを目的とした「スカルプシャンプー」の活用です。

スカルプシャンプーを選ぶときは、有効成分を含んでいる医薬部外品であるものが好ましいです。医薬部外品には「フケや痒みを防ぐ」「毛髪・頭皮の洗浄」「毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ」「毛髪・頭皮をすこやかに保つ」など、頭皮環境を整える効果に有効な成分が一定の濃度で配合されています。スカルプシャンプーを活用すれば、頭皮トラブルが起こりにくくなり、抜け毛を防ぐことにもつながります。