頭皮を触った時にいつもと違う感触や異変を感じたということはないでしょうか。気づいた時には頭皮にかさぶたが出てきており、放っておくとさまざまな皮膚トラブルになる可能性があります。この記事では頭皮にかさぶたが出来てしまう原因や、よくある疑問や予防法について詳しく解説していきます。
かさぶたは頭皮にもできることがある
かさぶたは、体内からの分泌液や膿汁が皮膚表面で乾いて固まったもので、触るとザラザラ・ガサガサしている事が特徴です。転んで膝をすりむいてしまったとき、誤って指を切ってしまうなど、擦り傷や切り傷が出来てしまった際にできるという印象が強いのではないでしょうか。
しかし、かさぶたは身体の部位を問わず、どの部位にもできる可能性があるもので、頭皮にもかさぶたが出来てしまうことがあります。
頭皮に出来たかさぶたは、髪の毛によって隠れて見つけにくいため、頭皮を触ってみて異常が感じられた場合には注意が必要です。
頭皮にかさぶたができてしまう主な原因
頭皮にかさぶたが出来てしまう主な原因としては、以下の症状や対処法が考えられます。
病名 | 症状 | 対処法 |
---|---|---|
接触皮膚炎 | 湿疹、赤み、かゆみ、水ぶくれが見られる | かぶれの原因を取り除く、ステロイド外用剤を使用する |
アレルギー性接触皮膚炎 | 体の免疫反応によって皮膚に炎症が見られる | アレルギー物質を特定するため、医師による問診を受ける |
脂漏性皮膚炎 | 幹部に赤みがあり、フケやかさぶたが生じる | ステロイド外用剤による治療を受ける |
粉瘤 | 皮膚に袋状のできものが見られる | 手術を受けて摘出する |
尋常性ざ瘡 | 皮膚に赤みや膿が見られる | 皮脂や膿を面皰圧出する、炎症に有効な抗菌薬による治療を受ける |
毛嚢炎 | 毛穴が赤みを帯びる、膿を持った発疹が見られる | 皮膚を清潔に保つ、医療機関で膿を排出する |
頭皮の外傷 | 頭皮に傷が見られる | 専門の利用機関で治療を受ける |
かさぶたが出来てしまうことが考えられる皮膚トラブルをご紹介しましたが、必ずしも上記に挙げたものが原因でない場合も考えられます。症状が当てはまるからといって、自分で判断して治療してしまうことは避けるようにしてください。症状の悪化や最悪の場合、抜け毛や脱毛に繋がる恐れがあります。
かさぶたとともに別の症状が見られる場合、必ず専門の医療機関を受診して処置してもらうようにしましょう。
かさぶたにまつわる疑問を解説
かさぶたができる原因が分かったところで、かさぶたができた際に抱きがちな、「よくある疑問」について解説していきます。気になる疑問があった場合には、回答と合わせてチェックしてみてください。
かさぶたをはがすのはやめたほうが良い?
かさぶたが出来てしまった後は、ついつい剝がしたくなってしまうという人もいるかもしれませんが、これは避けるべき行為です。
かさぶたの内部では傷を直すために細胞が常に活動しており、乾燥したかさぶたを無理に剥がしてしまうと細胞の活動が阻害され、傷口が広がってしまう可能性があります。
かさぶたが出来たとしても、無理に剥がそうとせずに自然に剥がれ落ちるのをまつようにしましょう。
かさぶたは作らないほうが良い?
そもそも、かさぶたを作らないで治療する方が治りが早いケースがあることが近年の研究で明らかになりました。
これは医療機関では湿潤療法(しつじゅんりょうほう)と呼ばれている治療法で、傷口から出るジュクジュクとした液体に含まれている自己修復細胞を使うというものです。
通常傷口は外気に触れるとかさぶたへと変化していきますが、かさぶたにならないように特殊なテープを貼って湿らせた状態で治療を行います。
湿潤療法は痛みも少ないという特徴があるため、深い傷を負った場合には専門機関による湿潤療法を受けることも検討してみるとよいでしょう。
また、最近では一般の薬局などで湿潤療法ができる絆創膏が販売されているので、髪に干渉しにくいおでこや生え際に傷ができた場合には、湿潤療法に対応した絆創膏を使った治療も検討してみましょう。
頭皮のかさぶたとともに注意すべき症状
頭皮にかさぶたが出来た際に、その他の症状が併発して見られる場合には注意が必要です。
頭皮に見られた際に注意すべき症状と、症状別に可能性がある疾患をご紹介していきます。
フケ
フケは、頭皮の角質が蓄積して小板状に隔離した状態で、鱗屑(りんせつ)とも呼ばれる症状です。
頭皮にフケが見られる場合には、脂漏性皮フ炎、乾燥性湿疹、アトピー性皮フ炎、接触皮フ炎、乾癬、頭皮の水虫といった皮膚トラブルが起きていることが考えられます。
その中でもフケが生じる原因の50%以上が、脂漏性皮フ炎である可能性が高いと言われています。
頭皮の赤み
頭皮の赤みは、炎症などによる血管の拡張で皮膚の表面が赤くなった状態で、紅斑(こうはん)とも呼ばれる症状です。
頭皮に赤みが見られる場合、環状紅斑、多形滲出性紅斑、結節性紅斑といった皮膚トラブルが考えられます。
年齢や性別によって起こりやすさも変わってくる場合があるため、気になる症状が見られた場合には専門の医療機関を受診するようにしましょう。
膿
膿は、細菌が感染して炎症を起こし、赤く腫れて痛みが生じる状態で、膿疱(のうほう)とも呼ばれる症状です。
膿が見られる場合、とびひ、皮膚がん、粉瘤、よう、アトピー性皮膚炎といった皮膚トラブルが考えられます。
最悪の場合、皮膚がんの可能性もあるため膿が見られた場合には、早めに医師に相談するようにしてください。
頭皮のかさぶたを予防する方法
頭皮にかさぶたが出来てしまった場合の症状や注意事項などを解説してきましたが、かさぶたは作らないようにすることが一番の対策法です。
ここからは、日常生活のなかでおこなえる頭皮のかさぶたを予防する方法を詳しくご紹介していきます。
シャンプーを見直す
頭皮のかさぶたは頭皮環境が正しく保たれていないことが原因の一つとして考えられ、あ毎日使用するシャンプーは頭皮環境に大きく影響してきます。
シャンプーを使用して毎日1回以上の洗髪を行うようにして、頭皮環境を正常に保つようにするほか、洗浄力が強いシャンプーを使用している場合には、低刺激性のシャンプーに変更してみることも良いかもしれません。
シャンプー選びで迷った際におすすめなのが、「ポリピュア スカルプシャンプー」を検討してみてはいかがでしょうか。角質層まで頭皮の脂を除去して頭皮環境の改善効果が期待できるほか、毛髪や頭皮のふけ・かゆみを防ぐ効果も期待できます。
頭皮環境を整えたいとお考えの方はぜひ一度使用してみてください。
食生活を見直す
毎日不規則な食生活を続けていると、皮脂の過剰分泌に繋がり頭皮環境の悪化につながるほか、かゆみなどの頭皮トラブルが起こる可能性があります。
脂っこい食事やアルコールばかりをとるのではなく、バランスの取れた食生活を日々心がけるようにしましょう。
しっかりと睡眠をとる
日頃の睡眠時間が不足すると、ストレスの原因になるだけでなく、頭皮の皮脂の過剰分泌に繋がります。
頭皮環境が悪化してしまうだけでなく、もともと疾患がある場合にはそちらの症状の悪化にも繋がる可能性があるため、十分な時間を取るように心がけて身体と心をしっかり休息するようにしましょう。
頭皮のかさぶたに関するまとめ
頭皮のかさぶたの原因や注意点などに触れて詳しく解説してきました。頭皮のかさぶたは外傷以外にもさまざまな原因が考えられるため、放置せずに医療機関を受診し原因を特定することが大切です。
また、頭皮にかさぶたが出来てしまった場合には、まず無理に剥がそうとせずに自然にはがれるのを待つようにしましょう。また、かさぶた以外にも頭皮に異常が見られた場合には、皮膚疾患や皮膚トラブルが起きている可能性がありますので、医療機関を受診するとともに、頭皮環境の改善にも取り組むことをおすすめします。