「しっかり洗っているのにフケが出る…」「頭がかゆくて我慢できない」という時、もしかしたら、これらは頭皮湿疹のせいかもしれません。
良かれと思ってやっていることが、頭皮湿疹を招いてしまっている可能性もあります。
また、頭皮湿疹ができたときにやってしまったことが、症状の悪化を招いてしまうこともあるかもしれません。
この記事では頭皮湿疹の症状や原因、やってはいけないこと、具体的な改善策などを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
頭皮湿疹の症状
皮膚病のひとつである湿疹が頭皮にできることを「頭皮湿疹」といいます。
次のような症状が出ている方は、頭皮湿疹の疑いがあるので、早めの対処が必要です。
- 頭皮の一部が痒い
- 頭皮に炎症が起きている
- 赤斑(赤み)や丘疹(ぶつぶつ)ができている
- 小さな水疱ができている
- フケが出やすい
- 頭皮から臭い汁が出てくる
- 抜け毛が多くなった
もし、ひとつでも思い当たる症状がある場合は、頭皮湿疹を疑ってみてください。
頭皮湿疹ができる主な原因
頭皮湿疹ができる主な原因は5つあります。
- 皮脂の過剰分泌
- シャンプーや整髪料
- 頭皮の乾燥
- 頭皮の炎症
- そのほかの皮膚疾患
それぞれの特徴を把握しておけば、頭皮湿疹の原因解明にも繋がり、適切に対処できます。
また、改善策だけでなく予防策を知る上でも重要になるので、覚えておくと良いでしょう。
皮脂の過剰分泌
皮脂が過剰に分泌されると、常在菌が繁殖してしまい頭皮湿疹ができます。
皮脂の過剰分泌が原因でできる頭皮湿疹を「脂漏性湿疹」と呼び、特徴としてはかゆみを伴わないケースもあり、フケや赤い発疹が出やすいです。
原因は解明されていませんが、皮脂の多い場所を好む「マラセチア菌」という真菌の繁殖、入浴不足、生活習慣の乱れなどが影響していると考えられています。
脂漏性皮膚炎の対策は、皮膚を清潔にすることや抗真菌薬が含まれた薬を塗ることなので、皮膚科での治療が必須です。
シャンプーや整髪料
シャンプーや整髪料が皮膚に合わないと、接触性皮膚炎を発症する可能性があります。
接触性皮膚炎は皮膚に合わない物質が直接接触することで起こるアレルギー反応の一種です。シャンプーや整髪料以外にも、虫や植物の毒、金属系のネックレス、洗剤、石鹸などが触れることで発症する可能性があります。
頭皮湿疹が治らない、もしくは治ってもすぐにできる場合は、使っているシャンプーや整髪料など頭皮に触れるものを変えてみると良いでしょう。
頭皮の乾燥
シャンプーをしすぎてしまうと必要な皮脂まで洗い落としてしまい、頭皮のバリア機能が低下します。
バリア機能の低下に伴って頭皮が乾燥しやすくなると、皮脂欠乏性皮膚炎を発症する可能性が高くなります。
皮脂欠乏性湿疹は、とくに乾燥肌の方に表れやすい炎症だといわれているため、注意しましょう。
皮脂欠乏性皮膚炎の主な症状は皮膚のひび割れ、頭皮が剥ける、かゆみなどです。なるべく乾燥しないよう保湿ケア、さらにシャンプーの選び方や方法を改める必要があります。
頭皮の炎症
頭を強く掻く、爪を立てて髪を洗う、力強くブラッシングを行うなど頭皮にダメージを加えることで皮膚のバリア機能が低下すると、頭皮が炎症してしまう可能性があります。
正式名称は膿痂疹(のうかしん)ですが、皮膚の症状が全身に広がっていくことから「とびひ」とも呼ばれています。
厚いフケやかさぶたが出るのが主な特徴です。頭皮の炎症がある場合は、シャンプーの仕方やブラッシングの方法を見直して、頭皮に負担をかけないようにしましょう。
そのほかの皮膚疾患
上記以外には、アトピー性皮膚炎のような皮膚疾患が原因のケースも考えらえます。アトピー性皮膚炎になると皮膚は乾燥しやすくなり、頭皮のバリア機能が弱くなって頭皮湿疹ができやすくなります。
黄色ブドウ球菌・汗・ストレス・ダニ・カビなどはアトピー性皮膚炎の症状を悪化させる要因であり、重なるとさらに強いかゆみを伴います。
アトピー性皮膚炎は病気である以上、自分の努力だけで改善はできません。皮膚科を受診し、適切な治療を受けるのが最も効果的な対策です。
頭皮湿疹ができたときにやってはいけないこと
頭皮湿疹ができたときにやってはいけないことは以下のとおりです。
- 頭皮を掻かない
- シャンプーをしすぎない
- カラー剤やパーマ剤を使わない
- 自己判断で市販薬を使わない
上記を順番に解説します。
頭皮を掻かない
頭皮湿疹はかゆみを伴うケースが多いですが、頭皮を掻いてしまうと症状が悪化します。
掻くことで一時的にかゆみは鎮まりますが、皮膚を傷つけたり、バリア機能が壊れたりすると症状が悪化し、肌が刺激に弱くなって更にかゆくなるなどの悪循環を招く可能性が高いです。
頭皮がかゆくても、なるべくかかずに我慢しましょう。
シャンプーをしすぎない
シャンプーや整髪料を使いすぎると、頭皮が刺激に負けて頭皮湿疹が悪化する可能性があります。
一方で、頭皮の健康を保つためには、シャンプーを使って頭髪を清潔な状態にすることも重要です。そのため、頭皮湿疹が発症しているときは、低刺激のシャンプーを適正量使うようにしましょう。
カラー剤やパーマ剤を使わない
頭皮湿疹の原因がカラー剤やパーマ剤の可能性があるため、頭皮湿疹を発症している間は使わないようにしましょう。
なお、頭皮湿疹を発症しているときに美容院に行く場合は、事前に店舗に状況を説明しておき、カラーやパーマは湿疹が落ち着いてから行うようにしましょう。
自己判断で市販薬を使わない
頭皮湿疹が原因のかゆみを鎮める市販薬はドラッグストアで購入できますが、自己判断で市販薬を使わないようにしましょう。
頭皮湿疹の種類によって治療法は異なり、市販薬を使用したことで悪化する可能性を否定できません。頭皮湿疹を発症したら、まずは医師や医療機関に相談しましょう。
頭皮湿疹が治らない、原因も分からない…そんな時は皮膚科へ!
頭皮湿疹は原因に合わせた対処が必要です。しかし、なぜ湿疹ができるのか、その原因が分からず悩む方もいるでしょう。
間違った対処法は症状を悪化させてしまう可能性があります。
皮膚科には専門知識豊富な肌のスペシャリストがいるので、原因を見極め、投薬や治療を行ってくれます。手探りで治そうとするよりも、効率の良い方法といえるでしょう。
頭皮湿疹の症状を悪化させないよう早く治すためにも、早めの皮膚科受診をおすすめします。
頭皮湿疹の改善方法
頭皮湿疹を本格的に治療するなら皮膚科への受診がおすすめですが、時間がない場合は次のような改善方法を試してみましょう。
- 頭皮を清潔に保つ
- 頭皮に優しいシャンプーをつかう
- 髪を洗う時は優しく丁寧に
- 食生活を見直す
- ストレスを適度に発散する
上記の改善方法は、頭皮湿疹ができにくい頭皮を目指す方法です。予防方法にもつながるため、日常生活で心がけてみましょう。
頭皮を清潔に保つ
頭皮湿疹の種類にもよりますが、皮脂の過剰分泌が原因で頭皮湿疹が発生している場合は、頭皮に皮脂や汗が残っていると悪化するケースがあります。
そのため、シャンプーや正しいヘアケアをおこない、皮脂や汗をしっかりと流して、頭皮を清潔な状態に保つことが重要です。
頭皮に優しいシャンプーをつかう
健康的な頭皮づくりの第一歩として、ぜひシャンプー選びにもこだわってみましょう。
ノンシリコンタイプの「ポリピュア スカルプシャンプー」であれば、頭皮や毛穴に詰まった余分な皮脂やスタイリング剤をしっかり落とし、頭皮をすこやかに保ちます。
ただし、頭皮湿疹の治療効果があるわけではないため、頭皮湿疹の症状があるときは医師と相談のうえ使用してください。
髪を洗う時は優しく丁寧に
シャンプーの頻度が多い、強くゴシゴシ洗う、といった行為は頭皮に大きなダメージを与えます。
これらの行為は頭皮を外敵から守る油分や皮脂まで洗い流したり、単に頭皮を傷つけたりする要因になります。シャンプーは1日1回、指の腹を使い優しく丁寧に洗うようにしましょう。
また、シャンプー後のすすぎが不十分だとフケやかゆみが起こる原因にもなるので、優しく丁寧にしっかり洗い流すことを意識してください。
食生活を見直す
食事によって頭皮環境が悪化する場合もあります。
例えば動物性たんぱく質を摂りすぎると血行不良が起き、頭皮環境を悪化させます。また、ハンバーガーやポテトなどのジャンクフードは油分が多く、頭皮の皮脂分泌が促進され、毛穴に皮脂が溜まりやすくなります。
脂性または頭皮が炎症を起こしている方は皮脂の分泌を抑制し、新陳代謝を促す「ビタミンB2」と「ビタミンB6」を摂取するようにしてください。
乾燥性、フケが出て困っている方は「ビタミンA」をそれぞれ積極的に摂取するのがおすすめです。
毎日の食生活を見直すだけでも頭皮環境が良くなる可能性は十分にあるので、まずは1日3食のうち1食の改善から始めてみましょう。
ストレスを適度に発散する
過度なストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、頭皮の血行不良を招きます。
ストレスが原因で免疫力が低下し、皮膚が敏感になることで、湿疹やかゆみが出やすくなることもあります。
ストレスを溜め込まないよう、趣味を見つけたり運動したり、適度に発散するのが望ましいです。
頭皮湿疹は早めの対策を心がけよう
かゆみ、フケ、赤み、ブツブツ、抜け毛など頭皮湿疹の症状はさまざまです。ひとつだけでなくふたつ以上の症状が併発しているケースもあります。
症状が悪化すれば見た目も悪くなり、不潔な印象を与えてしまう可能性があるため、早めに対処しましょう。
しかし、頭皮湿疹は症状によって発症している原因が異なり、適切な治療法や改善方法も違ってきます。
頭皮湿疹が出たら、頭皮を掻かず、シャンプーをしすぎないようにしてください。また、頭皮湿疹がある場合は、カラー剤やパーマ剤を使用せず、自己判断で市販薬を使わずに医療機関を受診しましょう。