育毛剤はたくさんの種類があり、購入方法もさまざまです。皮膚科で処方してもらうこともできますし、店舗や通販で市販の育毛剤を買うこともできます。そこで気になるのが「市販と皮膚科の育毛剤は何が違うのか」という部分でしょう。
本記事では、皮膚科から処方してもらう育毛剤と市販の育毛剤の特徴や、皮膚科でおこなわれるAGA治療について解説します。薄毛や抜け毛にお悩みの方はぜひチェックしてみてください。
皮膚科で処方される育毛剤と市販の育毛剤に違いはある?
皮膚科で処方される育毛剤と市販の育毛剤、それぞれの特徴についてご紹介します。
皮膚科で処方される育毛剤は「個人に合わせた処方」
皮膚科で処方される育毛剤の特徴は、個人に合わせた処方であることです。患者一人ひとりの頭皮の状態や、抜け毛の進行具合に合った成分が入った育毛剤を医師が処方してくれます。
また、皮膚科では医療機関でしか処方が認められていない成分が入った濃度の高い育毛剤や、内服薬の育毛剤も処方しています。
医師に処方してもらうため、アレルギーや副作用などの相談ができるといったメリットがあります。
市販の育毛剤は「多くの人に向けた商品」
市販の育毛剤の特徴は、多くの人が使えるように作られた商品であること。医師の診断が必要なく気になったときに手軽に入手できるのがメリットです。
さまざまな商品の中からより自分にとって作用を実感しやすい商品を探すのがポイントです。
皮膚科でおこなわれるAGA治療とは?
皮膚科や薄毛治療専門クリニックでおこなわれている「AGA治療」とは、一体どんな治療なのでしょうか?AGAの基本的な情報や治療の特徴について解説します。
AGAとは「男性型脱毛症」と呼ばれる疾患
AGAとは「男性型脱毛症」と呼ばれる進行性の薄毛を指します。主に男性ホルモンの影響により、頭頂部や前頭部、額の生え際から薄毛が進行します。
原因は還元酵素「5αリダクターゼ」の過剰な活性化だといわれています。5αリダクターゼは男性ホルモンの「テストステロン」の活動を促し、より強力な男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変化させてしまいます。
その結果、DHTが毛乳頭細胞に存在する「アンドロゲンレセプター」と結びついて、毛の成長のサイクルを乱したり、薄毛や抜け毛を促したりする可能性があります。放っておくとさらに症状が進行してしまうため、早めの治療が重要とされています。
AGA治療の特徴や内容
AGA治療には、外用薬や内服薬などの投薬治療、植毛やマッサージ、針、光治療などがあります。
投薬治療では、発毛を促すといわれている成分「ミノキシジル」が配合された外用薬や、脱毛を防ぐ内服薬として「フィナステリド」などが処方されます。
金額は治療プランや皮膚科、クリニックにもよって差が出てきますが、皮膚科の相場は7,000円~1万5,000円ほどです。
個人差はありますが、効果を実感し始めるのは治療開始後3~6カ月だといわれています。即効性があるというよりも、徐々に改善していくことがほとんどなので、根気よく通い続けるのがポイントです。
女性の薄毛治療で注目されているHARG(ハーグ)療法
AGA治療は男性向けの治療メニューが多いのですが、皮膚科・クリニックの中には女性向けの薄毛治療がおこなわれているところもあります。
女性向けの薄毛治療(男性の治療も可能)としておこなわれるHARG療法は、頭皮に成長因子のほか、ビタミンやアミノ酸などの成分を注入する治療法を指します。幹細胞から取り出した成長因子や成分を直接患部に注入することで、毛の生成を促すといわれています。
皮膚科・クリニックによって異なりますが、治療期間は5~10カ月(1カ月に一度通院)で、料金はトータルで50~150万円(1回あたり5~10万円)です。
抜け毛防止におすすめの生活習慣のポイント
抜け毛の原因はホルモンだけではありません。生活習慣の乱れも、抜け毛を引き起こすといわれています。
皮膚科や薄毛治療専門クリニックでは、AGA治療の一環として生活習慣のアドバイスや指導をおこなうこともあり、生活習慣は意識したいポイントです。
抜け毛を防ぐために心がけるべき生活習慣のポイントを3つご紹介します。実生活でも取り入れていきましょう。
バランスのよい食事を心がける
食生活は髪に多大な影響を与えます。脂っこい食事の摂りすぎは、皮脂汚れの増加や血行不良などの悪影響をもたらします。その結果、髪が育ちにくくなったり、抜け毛が増えてしまったりすることも。なるべく脂っこい食事は避けて、バランスのよい食事を心がけましょう。
- タンパク質…納豆、豆腐、肉、魚
- ビタミン…野菜、果物
- ミネラル…キノコ類、魚介類
上記の栄養を含んだ食べ物は、髪の成長によいといわれています。ぜひ毎日の食事に取り入れていきましょう。
血行が促進されるように湯船にしっかりと浸かる
血行不良は抜け毛の原因のひとつといわれています。血行をよくするために、湯船にしっかり浸かりましょう。
また、お風呂から上がったら濡れた髪をそのまま放置せず、ドライヤーでしっかり乾かしてください。このとき、ドライヤーを髪に近づけすぎたり、同じ個所を何十秒も連続して当てたりすると、髪のダメージや抜け毛の原因になります。なるべく髪から離して、小刻みに揺らしてドライヤーをかけましょう。
ストレッチや筋トレなど運動不足を解消する
実は運動不足も抜け毛の原因だといわれています。運動をしないと、血行が悪くなったり代謝が低下したりします。
普段あまり運動をしないという方は、定期的にストレッチや筋トレなど、軽い運動を取り入れましょう。運動が好きな方は、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動をしてみてもよいでしょう。無理のない範囲で続けることが大切です。
育毛剤と正しい生活習慣で抜け毛を抑えよう
皮膚科では、個人に合った育毛剤が処方されます。男性向けのAGA治療に加え、女性向けのHARG療法を取り入れている皮膚科・クリニックもあるので、薄毛や抜け毛に悩む方にとって強い味方となってくれるでしょう。
投薬治療のほか、正しい生活習慣を取り入れて、あなたのペースで抜け毛を防いでいきましょう。