育毛剤を使い始めてこれで安心！と思っていたのに、なんだか育毛剤を使う前より抜け毛が増えているような気がする…という経験をしたことがないでしょうか。
抜け毛は、育毛剤を使った際に起こる「初期脱毛」と呼ばれている現象の可能性があります。育毛剤を使うとなぜ初期脱毛とはどういうものなのか、抜け毛が起こるメカニズムなどについて触れながら、詳しく解説していきます。
育毛剤の使用時に見られる初期脱毛とは？
初期脱毛は、「育毛剤を使い始めた最初の時期に抜け毛の量が一時的に増える」という現象です。薄毛を改善するため育毛剤を使っているのに、髪の毛が抜けていると不安になってしまいますが、初期脱毛は育毛剤の効果で新しい髪の毛が成長する過程で起こるものなので、心配する必要はありません。
抜け毛が増えたことで、「この育毛剤は効果がない」と思って途中で育毛剤の使用を止めてしまう人がいます。しかし、初期脱毛が起こるのは、育毛が進んでいる証拠です。途中で育毛剤の使用を止めてしまうと効果が途中で無くなってしまい、ただ抜け毛が増えただけで終わってしまいます。
初期脱毛が起きた場合でも育毛剤は継続して使用するようにしましょう。
育毛剤による初期脱毛が起きる時期・期間や抜ける量はどれぐらい？
初期脱毛の際に抜ける髪の毛には個人差がありますが、1日あたり約200〜300本ほどで、育毛剤を使い始めてから、1〜2ヶ月程度続きます。
健康な頭皮の人で1日あたり100本程度の抜け毛があると言われており、普段と比べて2倍から3倍の抜け毛があるので「抜け毛の量が実感できるほど増えた」など、初期脱毛の状態は感じることができるかと思います。
初期脱毛の症状が出てから、継続して育毛剤を使い続けることで徐々に治まっていきます。
抜け毛の量が増えるのは、初期脱毛が原因だと分かっていても気になってしまう方も多いのではないでしょうか。初期脱毛が起きているときは、「新しい髪の毛が生えるための準備を行っているからだ」という気持ちで待つことが大切です。
ただ、どうしても気持ちが不安になることがあるかもしれません。そんな場合には、専門の医師によるカウンセリングを受けることをおすすめします。カウンセリングによって悩みを相談できるほか、医師による診断も受けることができるので、安心して薄毛の改善に取り組んでいくことができます。
育毛剤の使用時に初期脱毛が見られる原因について
初期脱毛は育毛剤を使うことによって見られる現象なので、育毛剤が悪さをしているように感じられますが、それは誤りです。
初期脱毛が起こる原因には、一定の周期で髪の毛が生え変わる「ヘアサイクル」が関係しています。
育毛剤による初期脱毛と関係しているヘアサイクルとは？
ヘアサイクルとは、髪の毛が成長・退行・休止を繰り返して生え変わる周期のことで、以下の3つの期間に分けられます。
- 成長期：髪の毛が成長する期間(2年～6年ほど)
- 退行期：髪の毛の成長が止まり毛根の退縮が始まる期間(2週間ほど)
- 休止期：毛根の位置が浅くなり、新しい髪の毛に生え変わる期間(3～4ヶ月ほど)
薄毛の原因のほとんどが、ヘアサイクルの乱れによるものだと言われています。
ヘアサイクルが乱れると成長期が短くなり、十分に髪の毛が成長できていない状態のまま退行期・休止期に入って髪の毛が抜けてしまいます。薄毛を解消するには、この乱れたヘアサイクルを正しい周期に戻してあげることが重要となります。
育毛ケアによる初期脱毛は育毛ケアの効果によるもの
育毛剤をはじめとした育毛ケアには、頭皮にある髪の毛を作り出している「毛母細胞」を活性化させて、髪の毛を成長しやすくさせる目的があります。
髪の毛の成長期が早まるので、普段より多く生えていた髪の毛が抜けていきます。これが初期脱毛の正体です。初期脱毛は悪いものではなく、育毛が進んでいて新しい髪の毛が生えるために、乱れたヘアサイクルの周期をリセットしている証拠です。
とくに成長期に育毛剤を使うことがより効果を高めるためには必要ですので、抜け毛が増えたからといって止めてしまわず、継続して育毛剤を使い続けることが大切です。
育毛剤の効果を発揮させるには正しい生活習慣が大切
ヘアサイクルの乱れは主に、以下のような悪い生活習慣を繰り返していることが原因で起こります。
- 食事(脂っこいものばかりを食べている)
- 運動(運動をしない)
- 睡眠(十分な睡眠がとれていない)
育毛ケアはヘアサイクルの乱れを改善する効果がありますが、原因となっている生活習慣が改善されないままだと効果が出にくくなるばかりか、最悪の場合は抜け毛が悪化してしまうこともありえます。
育毛の効果を高め、薄毛を改善するためにまず大切なのは、正しい生活習慣を送ることを心がけて、薄毛の原因を作らないことです。育毛効果を高めるためにも、育毛剤の使用と合わせて、生活習慣の見直しも行うようにしましょう。
育毛剤による初期脱毛と脱毛症の見分け方は？
「初期脱毛」と「脱毛症」抜け毛がどっちのものなのか、またどうやって見分ければいいのか？という疑問があるかと思います。
どちらの抜け毛なのかは、「育毛剤を使い始めた時期」や「自覚症状の有無」である程度見分けることが可能。具体的には、以下の場合には初期脱毛かもしれません。
- 育毛剤を使い始めたばかり(1〜2ヶ月目)
- かゆみやフケまたは炎症など、抜け毛以外の症状が出ていない
- 生え始めている毛が確認できる
ただし、症状には個人差がありますので、すべての初期脱毛がこれらに当てはまるわけではありませんので注意が必要です。もし抜け毛で気になる点がある場合には、皮膚科など専門の医療機関を受診することをおすすめします。
育毛剤による初期脱毛ではなく脱毛症など頭皮トラブルが見られた場合
育毛剤を使い始めて3ヶ月以上経っても、1日あたり200本近くの脱毛が続く場合や、頭皮にかゆみ・フケ・炎症といった症状が見られるときには、頭皮トラブルが起きている可能性があります。
症状が出た場合には、育毛剤を使用するのを止めてすぐに医師に相談するようにしてください。頭皮トラブルが起きる原因は、人によってさまざまです。
- 育毛剤が頭皮に合わない
- ストレス
- 生活習慣が乱れている
自己判断で育毛剤を使い続けたり、治療しようとしたりすると、症状の悪化や最悪の場合には髪の毛の脱毛につながる場合がありますので、必ず皮膚科など専門の医療機関を受診して治療するようにしましょう。
育毛剤の使用時に起こる初期脱毛は育毛剤が効いている証拠
育毛剤の使用時に起こる「初期脱毛」について詳しく解説してきました。
育毛剤を使っているのに抜け毛が増えると不安になってしまいがちですが、初期脱毛は髪の毛の乱れたヘアサイクルをリセットして、新しい髪が生えてくる準備として起こる現象です。
初期脱毛は、育毛がしっかりと進んでいる証拠でもあります。抜け毛が増えたからといって育毛剤の使用を止めずに、最低6ヶ月は継続して使うようにしましょう。
