薄毛対策には体質改善を目的とした漢方薬を用いる方法もあります。しかし、漢方薬に対して「本当に効果があるの?」「種類が多すぎて、どれが薄毛対策に適しているのか分からない…」といった疑問や不安がある方も少なくないでしょう。
この記事では漢方薬で期待できる薄毛対策の効果、さらにお悩みのタイプ別で選べる漢方を紹介します。
漢方薬で薄毛の改善は可能?
漢方薬は、薄毛の原因になりやすい血行不良や栄養不足、ホルモンバランスを整えるといわれています。
治療薬のように直接的な発毛促進や抜け毛防止の効果はありませんが、薄毛を招く要素の改善は期待できます。
ただし、漢方薬に即効性はないので、継続的に続けることが重要です。薄毛改善を目的に漢方薬を試すなら、焦らず気長に続けるところからはじめましょう。
漢方薬で薄毛は「血」が原因とされている
東洋医学に「髪は血の余り」という言葉があります。これは、血が豊かであると髪は健康に育つという意味です。
つまり、血が不足している状態は抜け毛が多くなり、薄毛を促進させます。健康な髪を育てるためには、血が余るくらいのエネルギー(栄養)が必要だということです。
漢方薬は劇的な即効性などは期待できない
病院で処方される薬とは違い、漢方薬を飲んだからといってすぐに効果を実感できるわけではありません。
そもそも体質改善を目的としている漢方薬は、薄毛治療でおなじみの「プロペシア」や「ミノキシジル」などのような薬とは違い、男性ホルモンの生成を抑制したり、血行を促進して発毛を活性化させたりする作用はありません。全身の体質改善をしながら、少しずつ効果が表れるので、漢方薬を使用する際は長い目で見ておくと良いでしょう。
時間をかけて体質改善をしながら漢方薬で薄毛改善を目指す
漢方薬を選ぶのには、以下の理由が挙げられます。
- 体質を改善しながら穏やかに薄毛を改善できる
- じっくり体質改善から取り組める
- 副作用の心配が少ない
健康な髪が生える土台を作るためには、頭皮環境を整えることは必須です。そして頭皮環境を整えるためにも、体質改善はとても重要なポイントになります。
薄毛のタイプ別に期待できる漢方薬の効果を解説
漢方薬と一言でいってもさまざまな種類があり、迷われる方は少なくないはずです。
どの漢方薬が効果的なのかは薄毛のタイプによって異なるので、自身に合った漢方薬を見極めましょう。
加齢・老化による抜け毛
日常生活において以下のことが気になる方はいらっしゃいませんか。
- 白髪が気になる
- 老化が気になる
このような状態の方は、加齢によって腎が弱っている「腎虚」である可能性が高いです。
腎は生命・生殖をつかさどる場所であり、髪と深いつながりを持ちます。抜け毛などの髪トラブル以外には腰痛や夜間尿などの不調が見られやすいです。腎虚を改善するためには「腎」と「血」を補う必要があります。
腎虚に効果が期待できる漢方薬
漢方薬(よみがな) | 作用・特徴 |
---|---|
六味地黄丸 (ろくみじおうがん) |
排尿機能や口の渇きなどを改善 |
八味地黄丸 (はちみじおうがん) |
体を温めて新陳代謝を促す |
髪のボリュームがなくて薄く見える
- 髪が細い
- 抜け毛が多い
- 髪にハリやコシがない
- 全体的にボリュームがない
このような状態の方は、血行不良や血液不足によって薄毛や抜け毛が促進される「血虚」である可能性が高いです。薄毛だけでなく、手足の冷えや乾燥肌、めまいや立ちくらみなどの悩みを抱えやすいのも特徴の1つです。
血虚を改善するためには「血」を補う漢方薬が適しています。
血虚に効果が期待できる漢方薬
漢方薬(よみがな) | 作用・特徴 |
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加味逍遥散 (かみしょうようさん) |
更年期障害、冷え性、不眠症、月経不順、月経困難などに作用 |
桂枝加竜骨牡蠣湯 (けいしかりゅうこつぼれいとう) |
眼精疲労、不眠症、虚弱体質などに作用 |
婦宝当帰膠B (ふほうとうきこうびー) |
貧血、冷え症、肩こり、生理痛、生理不順、のぼせ、めまい、更年期障害などに作用 |
十全大補湯 (じゅうぜんだいほとう) |
手足の冷え、疲労回復、だるさ、術後の体力低下、貧血などに作用 |
頭皮が脂っぽく、抜け毛が多い
- 頭皮のベタつきが気になる
- 頭皮が湿気で蒸れる
- 汗をかきやすい
このような状態の方は、体に熱が籠り、頭皮に脂が多く分泌しやすい体質である可能性が高いです。
皮脂が多く分泌すると汗によって湿気がこもり、頭皮は雑菌が繁殖しやすくなります。頭皮環境が悪くなり、抜け毛や薄毛の原因になりやすいので、改善策としては体にこもった熱を取る漢方薬が適しています。
湿熱に効果が期待できる漢方薬
漢方薬(よみがな) | 作用・特徴 |
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黄連解毒湯 (おうれんげどくとう) |
皮膚の炎症を抑える |
漢方薬の飲み方のポイント
漢方薬と治療薬は、飲み方がそれぞれ異なります。漢方薬を飲むときに注意したいポイントは次の4つです。
- ぬるま湯で飲む
- 空腹時に飲む
- 沢山飲めば効果的というものではない
- 他の薬と一緒に飲むときは注意
それぞれのポイントについて1つずつ詳しく解説していきます。
ぬるま湯で飲む
漢方薬はぬるま湯、もしくは水で飲みます。
ジュースや牛乳、濃いお茶、アルカリイオン水などの飲み物は、薬の吸収に影響を及ぼし、効果を下げる恐れがあります。
漢方薬から得られる効果を下げないためにも、ぬるま湯または水で摂取するようにしましょう。
空腹時に飲む
漢方薬を飲むタイミングは「食事の前」が理想です。
漢方薬は腸内細菌によって腸から吸収されるため、空腹時の方が腸内細菌は多く、より効果が期待できます。
食事の30分~1時間前に飲むと良いです。
沢山飲めば効果的というものではない
漢方薬は用量を守り、正しく飲むようにしましょう。
沢山飲んでも効果が上がる保証はありません。むしろ体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
もし飲み忘れてしまったとしても、2回分をまとめて飲むことはせず、1回分だけ飲むようにしてください。
漢方薬を併用する際には注意
複数の漢方薬を併用する場合は、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
飲み方に誤りがあると効果に影響が出る場合もあります。個人の判断で複数の漢方薬を飲むことは避け、必ず医師や薬剤師に相談してください。
薄毛が気になるなら育毛剤も活用してみよう
漢方薬のみに頼るのではなく、食事内容や睡眠時間など生活習慣の改善も意識して薄毛を対策しましょう。
また、育毛剤を活用してみることもおすすめです。
育毛剤「ポリピュアEX」は、バイオポリリン酸という独自の保湿成分を配合。頭皮の角層にしっかり浸透します。5つの有効成分が配合されており脱毛の予防効果が期待できます。
べたつきやニオイなども気にせず使用できますので、ぜひ試してみてください。